『Angel has passed』
総合 ★★★★★
オルトラーニ監督の最新作はまさかのクライム・ギャグ・ファンタジー!
監督の最愛主演男優ジャンカルロ・ブルボン・デル・モンテをはじめ、常連役者たちがズラリ勢ぞろいした。
「ジャンカルロマジ天使」
覆面監督という体で作品を打ち出している(いちおう、今作もDSP名義でのみの公開となっている)
オルトラーニ監督が、唯一明らかにしたコメントだ。
公開前はネタと思われていたこのコメント、実際の映画の内容そのままで、観客の度肝を抜いた。
前作で華麗なドレス姿を披露してくれたジャンの天使姿は、まさに祝福もの。
オルトラーニ監督は台本を一晩で書き上げたというが、
「それお前が見たかっただけじゃん!」というツッコミも間に合わないくらい、金の巻き毛がまぶしい。
美しい見た目と無関係な、いつも通りの掛け合いも絶妙だ。
ノーマルルートでしか見られない、他の幹部陣のキョドりっぷりも必見。
ルートに入ってしまうと堂々としているルキーノが、ジャンの脚が見えただけで慌てるのは珍しい光景だ。
ジュリオのがっつきぶりにも拍車がかかる。
イヴァンはいつも通りといえばいつも通りだが、あの中に入るとまともに見えるのは気のせいだろうか?
最近は「マフィアもの」っぽさへの揺り戻しが多かっただけに、
お正月に続き今回のようなどんちゃん騒ぎは嬉しい。
本編を思い出す演出が、ファンにはたまらないだろう。
血なまぐささからひと時離れて、気軽に見たい一本。
決算期が近くて隊長にこき使われる諸兄に是非行ってもらいたい。
ただし、見に行くときには腰布を用意することをおすすめする。
デイバンシアター、3月1日まで。
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